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透析看護師20年。体を壊して気づいたこと。

その日が、来るかもしれない。救急車を呼ぶときの手順(生きていく手順書 Vol.8)

その日が、来るかもしれない。救急車を呼ぶときの手順(生きていく手順書 Vol.8)

2026年7月3日

その日が、来るかもしれない。救急車を呼ぶときの手順(生きていく手順書 Vol.8)

透析室の看護師として20年、私は救急隊を「受け入れる側」にいました。

サイレンが近づいてきて、ストレッチャーが入ってきて、隊員さんから患者さんを引き継ぐ。 何度も立ち会った場面です。

でも先日、気づいてしまいました。 ひとり暮らしで療養中の私が「呼ぶ側」になる日の備えを、何ひとつ考えたことがなかったのです。

今日は、それを点検した記録です。 例によって、点検したら「考えたことがなかったこと」が見つかりました。

点検1。119番と、やりとりできるか

私は耳が聞こえにくいので、まずここからです。

試しに考えてみると、私の場合はスマホを大音量のスピーカーに切り替えれば、やりとりできる。これが答えでした。

聞こえ方は、人によってぜんぶ違います。 電話でのやりとりが難しい方には、NET119という仕組みがあります。スマホから文字で119番に通報できる、事前登録制のサービスです。対象や登録方法は地域によって違うので、お住まいの消防のホームページで確認してみてください。

それから、「救急車を呼ぶほどかどうか迷う」とき。 地域によっては**#7119**(救急安心センター)に電話すると、看護師などが相談にのってくれます。これも、自分の地域が対象か一度調べておくと安心です。

点検2。持ち物は、どこにあるか

保険証・お薬手帳・診察券。

私の場合は、いつも持ち歩くショルダーバッグに一式入っています。 ここは点検合格でした。一か所にまとまっていて、外出先で倒れても一緒にある。

バラバラに置いている方は、「ぜんぶ同じバッグ」にするだけで、備えがひとつ完成します。

点検3。救急隊は、玄関から入れるか

ここが、今回いちばんの「考えたことがなかった」でした。

私の住まいはオートロックのマンションで、玄関には鍵が2つと、金属の棒タイプのドアガード。 つまり、私が動けなくなったら、救急隊は3つの壁を越えないと私にたどり着けません。

答えは、順番を体に入れておくことでした。

「呼ぶ」→「動けるうちに、鍵とドアガードを開ける」→「玄関の近くで待つ」

119番をしたら、まだ動けるうちに玄関の鍵をぜんぶ開けて、玄関の近くで待つ。 悪化してからでは、開けに行けません。だから先に開ける。

もし最初から動けないときは、119番の電話で「鍵が開けられません」と伝えてください。消防はそれも想定して動いてくれます(ただし時間はかかります。だから開けられるうちに開ける、が基本です)。

点検4。「私が話せないとき」の一枚

実は私、デジタルの備えはそれなりにありました。

■ 緊急連絡先は、パスワード管理アプリ(1Password)に ■ 飲んでいる薬は、服薬管理アプリ(のみとう)に一式

でも、点検して気づきました。 救急隊は、ロックされた私のスマホを開けられません。

デジタルの備えは「自分が使うため」のもの。 意識がもうろうとして話せないときのためには、紙の一枚が要るのです。

だから今日、作りました。名づけて「救急情報カード」。

■ いちばん上に大きく「耳が聞こえにくいです。正面から ゆっくり話すか、筆談をお願いします」 ■ 名前(ふりがな)・生年月日 ■ 病名(治療中のもの) ■ かかりつけの病院・クリニック(名前と電話番号) ■ 飲んでいる薬(くわしくは「お薬手帳はショルダーバッグの中」と書く) ■ アレルギー(ないなら「なし」と書く。空欄と「なし」は、伝わり方が違います) ■ 緊急連絡先(家族の名前・続きがら・電話番号) ■ 保険証・診察券の場所 ■ 記入した日

プリンターは持っていません。 だから白い紙に、手書きで写しました。0円です。字は、読めれば充分。

置き場所は、冷蔵庫にしました。 救急隊や支援の方は「冷蔵庫を見る」習慣があります。高齢者向けの「救急医療情報キット」が冷蔵庫保管と決まっているからです。玄関の内側でもかまいません。「見つけやすい定位置」であることが大事です。

受け入れる側にいたから、言えること

救急の現場が最初に知りたいのは、むずかしいことではありません。

名前。年齢。何の病気で、どこにかかっていて、何を飲んでいるか。アレルギーはあるか。誰に連絡すればいいか。

あの一枚があるだけで、現場は本当に速く、正確に動けます。 20年、受け入れる側から見てきた実感です。

その日が、来るかもしれない

点検を終えて、思うことはひとつです。

その日が、来るかもしれない。

来ないかもしれない。来ないのがいちばんいい。 でも「来たら困る」を、今日「来ても、大丈夫なようにしてある」に変えられました。

かかった時間は、ひと晩の一部。かかったお金は、0円。

この記事も、未来の私と、同じ場所に立つあなたへの手順書です。

ぼちぼち、いきましょう。

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ゆるら(透析看護師歴20年)

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