売り切ってから、郵送でおわる。楽天証券の解約手順を、ひとり暮らしの私が書き出してみた話(やさしい終活 Vol.38)
完結したと思っていた「やさしい終活」シリーズに、また一本だけ書き足します。 第38弾は、楽天証券の解約手順です。
楽天カード(Vol.10)も、楽天銀行(Vol.16)も書いたのに、いちばん近いところにある「楽天証券」だけ、すっぽり抜けていました。
私は楽天証券で、少しずつ投資をしてきました。 リウマチと暮らしながら、無理のない範囲で。 そのことを、家族はくわしく知りません。
もし、いつか私が手続きできなくなった日が来たら。 残された家族が、見慣れない口座に戸惑うかもしれない。 だから、ここも書き出しておきます。
なぜ、証券だけ抜けていたのか
正直に書きます。 銀行やカードは「これは整えるもの」とすぐ思えたのに、証券は後回しになっていました。
理由は、たぶんこうです。 銀行口座は「お金がそのまま入っている」場所。 でも証券口座は、お金が「株」や「投資信託」という形に変わってしまっている場所。 すぐに引き出せる現金として見えないから、終活のメモから抜けやすいのだと思います。
→ これは、投資をしている人なら、誰にでも起きること。 → だからこそ、完結後でも書き足しておきます。
銀行とちがって、「売ってから」になる
ここが、証券口座のいちばん大事なところです。
銀行は、残高を他の口座へ送れば、それで残高ゼロにできます。 でも証券は、持っているものが「株」や「投資信託」のまま。 そのままでは口座を閉じられないので、先に売って、現金に戻す必要があります。
楽天証券の解約は、ざっくり言うと、こういう順番です。
- 持っているもの(株・投資信託)をすべて売る
- 売って現金になったお金を、銀行口座へ出金する
- 証券口座の「預り金」が0円になったのを確認する
- そのうえで、口座の解約を申し込む
→ つまり「売る」「出す」「ゼロを確認する」が先。解約はそのあとです。
解約の前にすること(事前準備チェックリスト)
私の場合の、事前準備の一覧です。
1. 株式・投資信託をすべて売る
- 保有しているものを、すべて売却する
- 売れたお金は、自動的に証券口座の「預り金」に入る
→ 売るタイミングで、損や得が出ることがあります。あわてず、自分が納得できるときに。
2. 積立設定を全部止める
- 投資信託の「積立設定」が残っていると、毎月また買い付けが起きてしまう
- 楽天証券の画面で、投資信託 → 設定 → 積立設定 と進んで、すべて解除する
→ ここを止め忘れると、せっかくゼロにしても、また残高が増えてしまいます。
3. NISA口座の扱いを決める
- NISA口座を持っている場合は、廃止するか、他の証券会社へ移すかを決める
- 新しいNISA(2024年からの制度)は、ひとり一つの金融機関でしか持てない仕組み
→ 制度は変わることがあるので、手続きするときに、楽天証券の最新の案内を確認するのが安心です。 → 私のように「もう投資を続けない」と決めているなら、NISA口座もまとめて廃止になります。
4. マネーブリッジ(楽天銀行との連携)を外す
- 楽天証券と楽天銀行をつなぐ「マネーブリッジ」を設定している場合は、これを解除しておく
- 連携が残ったままだと、銀行側を整えるときに引っかかることがある
→ 楽天銀行(Vol.16)を解約するなら、証券のマネーブリッジを先に外しておくと、流れがすっきりします。
5. 出金して、預り金を0円にする
- 売って現金になったお金を、登録した銀行口座へ出金する
- 出金が終わったら、証券口座の「預り金」が0円になっているかを確認する
→ 預り金が残っていると、解約手続きが進みません。
6. 本人確認書類を用意する
- 運転免許証や健康保険証のコピーなど
- 解約の依頼書に同封して返送するために使います
楽天証券の解約手順(PCサイトから)
事前準備が終わったら、いよいよ解約の申し込みです。
- 楽天証券のPCサイトにログインする
- 「マイメニュー」を開く
- 「お客様情報の設定・変更」を選ぶ
- 「基本情報」を開く
- 「その他」のなかにある「口座解約」を選ぶ
- 解約の依頼書を、PDFでダウンロードするか、郵送で取り寄せるかを選ぶ
- 依頼書に記入し、本人確認書類を同封して返送する
→ 申し込み自体は、24時間いつでもオンラインからできます。 → ただし、最後は紙の依頼書を郵送して完了するかたちです。すべて画面の中だけでは終わりません。
完了までの流れ(約2週間)
依頼書を返送してから、解約が完了するまでの流れです。
- 書類が受け付けられると、手続きが進む
- だいたい2週間ほどで、解約完了の通知が届く
- 解約の手続きが始まると、取引はできなくなる
→ 「申し込んだその日に終わり」ではなく、書類のやりとりで2週間ほどかかる、と思っておくと安心です。
死亡後、遺族が手続きする場合
ここは、銀行とは少しちがいます。
本人が亡くなったあと、証券口座は「解約」ではなく「相続の手続き」になります。 そして、株や投資信託は、現金のように分けるのではなく、相続する人の証券口座へ「移しかえる」のが基本です。
流れ(一般情報)
- 楽天証券のサポート窓口に連絡し、「口座の名義人が亡くなった」と伝える
- 相続の専用窓口を案内され、必要書類を教えてもらう
- 相続する人が、自分の証券口座(楽天証券)を用意する
- 故人の株や投資信託を、その口座へ移す
- そのうえで、必要なら売却したり、口座を整理したりする
必要書類(一般情報)
- 故人の死亡を証明する書類(戸籍謄本など)
- 相続関係を示す書類(相続人全員の戸籍謄本、遺言書または遺産分割協議書など)
- 手続きをする人の本人確認書類
→ 株や投資信託は「移管」が基本なので、受け取る家族の側にも証券口座が必要になることがあります。 → くわしい相続のことは、遺言書と相続実務(Vol.34)に書きました。証券は、私にとって、その「3社」のうちの一つです。
私の保管方法(おさらい)
私は、楽天証券のログインID・パスワード・取引暗証番号・登録した銀行口座を、「1Password(ワンパスワード)」のセキュアノートに保存しています。
マスターパスワードを1つだけ覚えて、もしものとき、家族がそれを開けば、楽天証券の口座があることにも、解約の手順にもたどり着ける仕組みです。
楽天証券については、こう書き足しました。
- 楽天証券(投資の口座)
- 解約の前に、株・投資信託を売って、預り金を0円にする
- 積立設定の解除と、NISA口座の扱いに注意
- マネーブリッジ(楽天銀行連携)を外す
- 解約はPCサイトから申し込み、依頼書を郵送して完了
→ そして大切なのは、「ここに投資の口座があります」と、紙のエンディングノートにも一言だけ書いておくこと。 → 証券口座も、銀行と同じで「家族が存在に気づかない」ことが、いちばんのリスクだからです。
楽天証券編、まとめ
- 証券は、残高が株や投資信託の形になっている → まず売って現金に戻す
- 積立設定を全部止める(止め忘れると、また買い付けされる)
- NISA口座は、廃止か他社移管かを決める(制度は最新を確認)
- マネーブリッジ(楽天銀行連携)を先に外す
- 出金して、預り金を0円にしてから解約申込
- 解約はPCサイト → 依頼書を郵送 → 約2週間で完了通知
- 死亡後は「解約」ではなく「相続(移管)」になる
- 1Passwordと、紙のエンディングノートで二重に残す
さいごに
投資なんて、私には少し背伸びだったかもしれません。 それでも、リウマチと暮らしながら、自分の手で、少しずつ続けてきた口座です。
その「閉じ方」まで、自分の言葉で書いておく。 それは、続けてきたことへの、私なりの区切りなのだと思います。
「ここは、こうやって閉じられるよ」 そう書いた一枚があるだけで、残された人は、迷わずにすみます。
銀行よりも、証券のほうが、少し手間がかかる。 売って、出して、ゼロを確かめて、それから郵送する。 だからこそ、先に書いておいてよかったと思います。
完結したシリーズに、また一本。 気づいたところから、選び直す。 それも、ひとり暮らしの終活の、やさしいやり方だと思うから。
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