眠らせた失業保険を、いつ起こすか。満了日から逆算する手順(生きていく手順書 Vol.16)
Vol.2で、失業保険を「眠らせて守る」手続きを書きました。
受給期間延長。働けないあいだ、権利の時計を止めておく手続きです。
あの記事は「ここまでやれば安心」で終わっています。
でも、続きがあるのです。
眠らせた権利は、いつか起こしに行かないといけません。そして、待ってもらえる年数には、上限があります。
今回は、その「いつ」を数える手順です。
通知書を、もう一度開く
延長の手続きをしたとき、持ち帰った紙のなかに「受給期間延長の通知書」があります。
そこに、こう書いてあります。
■ 延長できる期間:お仕事が探せる状態になった時点まで。ただし、最長3年間
■ ○年○月○日まで
この日付が、今回の主役です。
私はこの通知書を、ファイルにしまったまま8か月ちかく、開いていませんでした。先日開いて、初めて自分の日付を確かめました。
まだの方は、まず通知書を出してきてください。ここから先は、その日付を見ながら読むと、ぜんぶ自分の話になります。
仕組みのおさらい。時計は止まっている、でも永遠ではない
失業保険は本来、退職の翌日から1年以内に受け取り終える決まりです。
延長の手続きをすると、働けないあいだ、この時計が止まります。
止めておけるのは、最長3年。
通知書の日付は、「ここまでは止めておけますよ」という上限の日なのです。
上限の日を過ぎると、どうなるか
ここが、いちばん知っておいてほしいところです。
上限の日を過ぎると、まだ働けない状態のままでも、時計が勝手に動き出します。
そして、受け取れるはずだった日数が、うしろから欠けはじめるのです。
権利が一度に消えるわけではありません。でも、ゆっくり減っていく。
「気づいたら、もらえる日数が半分になっていた」は、起こりうる話です。
全額もらうための、逆算式
だから、式はこうなります。
■ 通知書の上限の日 −(自分がもらえる日数 + 待期7日)− 余裕1〜2か月 = 起こしに行くリミット
「自分がもらえる日数」は、人によって違います。
■ 勤めた年数が20年以上で、自己都合(病気などの正当な理由あり)の場合:150日(約5か月)
■ 障害者手帳のある方は「就職困難者」という枠になり、45歳以上なら360日(約1年)
同じ人でも、ルートによって5か月と1年。逆算の答えがまったく変わります。
自分がどの日数になるかは、ハローワークで確認できます。電話でも教えてもらえます。
わたしの逆算
私の場合、退職が10月末でした。上限は、その3年後の10月31日。
そこから日数と待期をひいて、余裕をみて。
「この夏までに行けたら全額。ここを過ぎたら欠けはじめる」という自分のリミットが出ました。
出た日付は、カレンダーに書きました。
体調の波のなかで暮らしていると、月日はあっという間に過ぎます。実際、私は8か月ちかく、通知書のことを忘れていました。
数える作業は、30分もかかりません。でも、数えたのと数えていないのとでは、安心がまるで違います。
起こしに行く日の、持ち物3点
リミットより前に「働けそう」と思える日が来たら、ハローワークへ。持ち物はこの3点です。
■ 就労可能等証明書(医師に書いてもらう用紙。延長手続きのときに先に渡されています)
■ 離職票2(延長の証明印が押されたもの)
■ 受給期間延長の通知書
3点とも、延長の手続きをした日に持ち帰った、あのファイルの中にあります。あの日の自分が、次の自分のために揃えておいてくれた道具です。
大前提。逆算は、急かすためのものではない
順番を、間違えないでください。
先に来るのは「働けそう」と自分が思えて、主治医もそう言ってくれる日です。日付がその日を連れてくるわけではありません。
傷病手当金が終わって、体調が戻ってきたら。それが起点です。
じゃあ、なんのための逆算かというと。
「まだ大丈夫」を、数字で確かめるためです。
私はリミットを数えてみて、思ったより先だと分かりました。あわてなくていいと、紙が教えてくれた。それだけで、今日の療養に集中できます。
失業保険は、逃げない。でも、数えておく
Vol.2の締めに、こう書きました。失業保険は、逃げない。
いまも、その通りだと思っています。
ただ、こう付け足します。
逃げないけれど、待ってくれる年数には上限がある。だから一度だけ数えて、カレンダーに書いて、また眠らせておく。
その30分で、あなたの「いつか」は守られます。
ぼちぼち、いきましょう。
ゆるら(透析看護師歴20年)
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