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透析看護師20年。体を壊して気づいたこと。

いちばんの保険は、もう持っている。高額療養費と限度額のはなし(生きていく手順書 Vol.11)

いちばんの保険は、もう持っている。高額療養費と限度額のはなし(生きていく手順書 Vol.11)

2026年7月3日

いちばんの保険は、もう持っている。高額療養費と限度額のはなし(生きていく手順書 Vol.11)

私はまだ、医療費で困ったことがありません。

リウマチとうつの治療で通院はしていますが、「今月は払えるかな」と不安になったことは、まだない。

でも、知っていることがあります。 リウマチの飲み薬が、3種類くらい効かなくなったら。 最後の砦は皮下注射(生物学的製剤)で、それは高額だということ。

つまり私は、「まだ困っていないけれど、高くなる未来を知っている」人です。 だから、困る前に調べました。この記事はその記録です。

透析室で見てきた、「上限」のある世界

透析の治療費は、医療機関側から見ると1人あたり月50万円ほどかかります。

でも、患者さんが窓口でそんな金額を払うことはありません。 「特定疾病」という特別な仕組みがあって、透析などの治療は自己負担が月1万円ほど(所得によっては2万円)に抑えられているからです。

透析室で20年、私はその仕組みが患者さんの暮らしを支えるのを、ずっと見てきました。 患者さんたちは、お金の仕組みをよく知っていて、負担を少しでも抑える工夫に真剣でした。月50万円の治療を受けながら生活が続けられるのは、公的保険がそれだけ強いからです。

医療費には、「月の上限」がある

特定疾病は透析などの特別枠ですが、実はすべての人に、もっと大きな傘があります。

高額療養費制度です。

■ 1か月(1日から末日まで)の医療費の自己負担には、上限がある ■ 上限の金額は、所得に応じて決まる ■ 上限を超えて払った分は、申請すると戻ってくる

「医療費は青天井かもしれない」という漠然とした恐怖に対する、国からの答えがこれです。 がんでも、手術でも、私の皮下注射でも。上限で、止まります。

ひとつ注意を。上限の金額や区分は、制度の見直しで変わることがあります。 正確な金額は、ご自分の保険(国民健康保険ならお住まいの市区町村、お勤めなら健康保険組合や協会けんぽ)の最新情報で確認してください。

手続きは、もう「ほぼ不要」になっていた

昔は「限度額適用認定証」という紙を先にもらっておく手続きが必要でした。

いまは、マイナ保険証で受診すれば、原則その手続きなしで、窓口の支払いが最初から上限までになります。 あとから払い戻しを申請する手間も、大きなお金を一時的に立て替える負担も、なくなるということです。

■ マイナ保険証に対応していない医療機関では、従来どおり認定証が要ります ■ 住民税非課税世帯など、場合によっては書類が必要なこともあります

このあたりも、かかる病院とご自分の保険の窓口で「マイナ保険証で限度額まで、で大丈夫ですか」と聞けば確認できます。

月4万円の生命保険料を、払っていた頃の話

ここからは、私の恥ずかしい話を正直に書きます。

5年ほど前まで、私は月4万円ほどの生命保険料を払っていました。

その頃の私は、いつもお金に困っていました。 働いているのに、なぜか残らない。何に使っているんだろう、と。

保険を見直して、気づきました。正体は、これだった。

いまの私は、民間の生命保険に入っていません。 高額療養費という「月の上限」があり、特定疾病のような特別枠があり、傷病手当金や障害年金のような働けないときの仕組みがある。 **国民皆保険は、世界に誇れる、最高の保険です。**その中身を知れば知るほど、私には上乗せが要りませんでした。

ただし、これは私の場合です。 小さなお子さんがいるご家庭など、民間の保険が大切な役割を持つ状況もあります。「解約しましょう」ではなく、**「公的保険で何がカバーされているかを知ってから、上乗せを考える順番にしませんか」**というのが、私の伝えたいことです。

いちばんの保険は、もう持っている

調べ終えて、あらためて思います。

高くなる未来が来ても、上限がある。 手続きは、マイナ保険証がほぼ済ませてくれる。 そして、その保険料は、毎月の保険料としてもう払っている。

いちばんの保険は、もう持っている。 足りないのは保険ではなくて、「持っている」と知ることのほうでした。

この記事も、未来の私と、同じ場所に立つあなたへの手順書です。

ぼちぼち、いきましょう。

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ゆるら(透析看護師歴20年)

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