終わりの日を、先に数えておく。傷病手当金が終わるときの手順(生きていく手順書 Vol.1)
「やさしい終活」は、私がいなくなったあとの手順書でした。 このシリーズは、その姉妹編。私が生きていくあいだに起こる手続きを、1項目ずつ書き出していきます。
第1弾は、いま私の暮らしを支えてくれている「傷病手当金」が終わるときの話です。
うつ病で退職して、療養しながら毎月受け取ってきました。 ありがたい制度です。でも、この制度には終わりの日があります。
終わりの日を知らないまま過ごすのと、先に数えて知っておくのとでは、安心がぜんぜん違いました。
傷病手当金は「通算1年6か月」で終わる
傷病手当金は、支給開始日から通算1年6か月まで受け取れます。
数え方はシンプルです。
■ 最初に支給の対象になった日(支給開始日)を確認する ■ そこから1年6か月後が満了
私の場合、支給が始まったのは2025年9月でした。 だから満了は、2027年3月。
ひとつだけ注意があります。申請した最初の3日間は「待期」といって、支給の対象になりません。 支給開始日は「申請を始めた日」ではなく「実際に支給が始まった日」。そこから1年6か月を数えます。
指を折って数えてみたら「あと1年8か月ある」と分かって、ふっと肩の力が抜けました。 名前のない不安は、数字にすると、こわくなくなります。
自分の支給開始日があいまいなときは、いちばん最初の「支給決定通知書」を見るか、協会けんぽ(または健康保険組合)に電話すれば教えてもらえます。
毎月のリズムは「月初に投函、約2週間で振込」
私の毎月の流れは、こうなっています。
■ 月が明けたら、前月分の申請書を書く ■ 医師の意見欄は、受診のときにお願いする ■ 特定記録郵便で投函する ■ 約10日〜2週間で振り込まれる
郵送の細かい工夫は、別の記事に書いています。
つまずいた話。公休日の11日分を、もらい損ねるところだった
ここが、この記事でいちばん伝えたいところです。
私は有給休暇を消化しながら退職しました。 最初の申請期間には、有給27日分の給与が含まれていました。
有給で給与が出た日は、傷病手当金は支給されません。それは知っていました。
でも、あることに気づいたのです。
有給と有給のあいだにあった公休日は、給与の対象ではありません。 つまり、公休日の分は傷病手当金の支給対象になるはずです。私の場合、11日分ありました。
ところが、職場が書いてくれた申請書の「報酬を受けた日」の欄は、公休日を含んだひとつづきの期間になっていました。 このままだと、公休日まで「給与をもらった日」に見えてしまいます。
職場への依頼は、この文面で伝わった
職場の事務担当さんに、こうお願いしました。
「公休日は傷病手当の支給対象になるため、公休日は除いて記載していただきたいのですが、お願いできますでしょうか」
事務担当さんは最初、戸惑っていました。 「給与額が時給や日給ではなく月給なので、期間ごとに区切ると記載できなくなります」と。
もっともな疑問だと思います。でも、ここであきらめずに、こう続きました。
「協会けんぽに確認しました。公休日ごとに区切って記載するようにとのことですので、再度記載し直してお送りします」
事務担当さんが協会けんぽに直接確認してくれて、書き直した申請書を再提出。 約10日後、公休日11日分が追加で振り込まれました。
もし気づかないままだったら、この11日分は受け取れないままでした。
有給を消化しながら退職する人は、看護師にかぎらず、たくさんいると思います。 最初の申請書が届いたら、「報酬を受けた日」の欄に公休日が混ざっていないか、一度だけ確認してみてください。
満了の前に、確認しておくこと
終わりの日が近づいたら、やることは3つだけです。
■ 協会けんぽに電話して、正確な満了日を確認する ■ 最後の申請は、満了日までの分で出す ■ 満了後の暮らしの道を、ひとつ選んでおく
満了後の道は、人によって違います。
働ける状態に戻っていれば、ハローワークの失業手当(受給期間を延長していた人は、その解除)。 働ける状態でなければ、障害年金という制度もあります。
そして、60歳を過ぎていると「老齢年金の繰り上げ」という選択肢も見えてきます。 ただし、繰り上げは一度選ぶと戻れません。障害年金との順番も、とても大事です。 このあたりは、前に図解でまとめています。
失業手当の「残り日数」の正確な見方は、次のVol.2で書く予定です。
終わりの日を、先に数えておく
満了の日は、まだ先です。
この記事を準備しながら、私にも「一番の心配」がありました。 でも、一番心配だったことも、順番を知ったら、ほどけました。
先に数えて、確認する窓口を知って、つまずきやすい場所に印をつけておく。 準備しておけば、その日が来ても、慌てなくていい。
この記事も、未来の私への手順書です。 そして、同じ制度に支えられているあなたの、地図のはしっこになれたら。
ぼちぼち、いきましょう。
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ゆるら(透析看護師歴20年)
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