退職後、「休んでいい」と自分に言えるまで半年かかった話
最初の一週間、なぜか落ち着かなかった
退職した翌朝のことを、今でもよく覚えています。
目が覚めたのは、いつもと同じ5時半。
カーテンの向こうに、やわらかい朝の光。
「あ、もう急がなくていいんだ」
そう思ったはずなのに、気づいたら布団の中でソワソワしていました。
何かしなきゃ。何か役に立たなきゃ。
長年染み付いた「動き続ける習慣」は、退職したからといってすぐに消えるものじゃないんですよね。
「ゆっくりする」ことへの、謎の罪悪感
退職して最初の一ヶ月、私はずっと何かに追われているような感覚がありました。
家事をちゃんとやらなきゃ。
こんなにのんびりしていていいのかな。
誰も責めていないのに、自分で自分を責めていた。
ずっとひとりで頑張ってきた分、 自分にやさしくすることが、 少し苦手でした。
あとから知ったのですが、これって「燃え尽き症候群」や「退職ブルー」という名前がついているくらい、よくあることなんだそうです。
「休んでいる自分」を許せない感覚。
長く働いてきた人ほど、陥りやすいらしい。
**変わったきっかけは、娘の一言だった **
退職から二ヶ月が経ったころ、娘がうちに遊びに来ました。
一緒にお茶を飲みながら、なんとなく「最近どう?」という話になって。
私が「なんか落ち着かなくて…」とこぼしたら、娘がこう言ったんです。
「お母さん、ずっと頑張ってきたんやから、ゆっくりしてていいねん」
たったそれだけの言葉なのに、なぜか目頭が熱くなってしまいました。
誰かに「いいよ」と言ってもらうのを、ずっと待っていたのかもしれない。
自分で自分に許可を出せなくて、ずっとどこかで「誰かに認めてもらいたかった」のだと気づいた瞬間でした。
「何もしない午前中」を、はじめて楽しめた日
娘の言葉から少し経った、晴れた平日の朝のこと。
コーヒーを淹れて、ベッドに腰掛けて、 ただぼーっと窓の外を見ていました。
鳥の声が聞こえる。
雲がゆっくり動いている。
風で木の葉が揺れている。 何十年も働いていたのに、こういう朝があったことを全然知らなかった。
「あ、これでいいんだ」
そう思えた瞬間、肩からふっと力が抜けた気がしました。
**今の私が大切にしていること **
あれから半年。
今の私の朝は、こんな感じです。
起きたいときに起きる。
好きなものを飲みながら、何も考えない時間を持つ。
天気がよければ、散歩に出る。
それだけ。
以前の私が見たら「もったいない」と思うかもしれない。
でも今の私には、これがとても豊かに感じられます。
「ゆっくりする」って、実はとても練習がいること。
頑張ってきた人ほど、時間がかかるかもしれない。
でも大丈夫。
焦らなくていい。
誰かに証明しなくていい。
あなたはもう、十分頑張ってきたんだから。
もし今、同じように感じている方がいたら、 そのままで大丈夫です。